確定申告 医療費控除とセルフメディケーション税制ーその2-

前回、さわりだけを書きましたが、今回は具体的なお話です。

1、具体的な手続きと注意点

2、こんな費用は医療費控除に該当するの?

1、具体的な手続きと注意点

前回も書きましたが、今年から申告時に医療費の領収書を添付(または提示)する必要はなくなりました。その代わりに医療費の明細書を作成し添付する必要があります。気を付けていただきたいのは、添付や提示の必要がなくなっただけで、まったく保管しなくてよいということにはなっていない点です。5年間は大事に保管する必要があります。また、「せっかく集めた領収書なんだから、提出したい!!」という方ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。5年間も保管しなければならないとなれば、提出してしまった方がよいという判断もありだと思います。そんな方はどうぞこれまで通り添付していただいて結構です。平成31年分の申告までは明細書の添付に替えて領収書の添付も認められております。

さて、医療費控除を受けようと思ったらまず「いくら税金が安くなるのか?」を計算してみましょう。計算方法は簡単です。

A:医療費控除額=(平成29年度中に支払った医療費の合計-保険金などで補塡される金額)-10万円(所得の合計額が200万円までの方は所得の合計額の5%)・・・最高200万円まで

B:課税所得の金額から予想される所得税率(5%~45%) 

「安くなる税額」医療費控除額×所得税率=A×B となります。

安くなる税額を知って「頑張る甲斐がある」と思ったら、次に進みましょう・・・と、ここまでは昨年までの流れです。今回の申告からは、さらに考える要素が増えました。それがセルフメディケーション税制です。もし、医療機関にかかった回数も少ないし調剤薬局に行った回数も少ないけど、ドラッグストアで薬を沢山買ったなぁ・・・という方であれば、こちらも計算して「医療費控除額」と比較してみる必要があります。こちらも計算方法は簡単です。

C:セルフメディケーション税制による医療費控除額=平成29年中に支払った特一般用医薬品等購入費の総額 -保険金などで補塡される金額)-1万2千円・・・最高8万8千円まで

Aの額とCの額を比較して多くなるほうを利用することになるかと思います。利用する制度が決まれば、次は申告書と明細書の作成に取り掛かります。

 

手順としては、

①材料集め(領収書、保険者等からの医療費通知など)

②医療費の明細書への記入

③申告書(第一表、第二表)への記入

④申告書、明細書をまとめて税務署へ郵送または提出

という流れになります。

 

具体的にどう書くか、明細書を作成したら申告書にどのように転記するか、この辺りを理解しておかないと少しだけ迷うことになるでしょう。国税庁が配布する「医療費控除を受けられる方へ」または「医療費控除に関する手続について(Q&A)」にはかなり細かいところまで記載してあります。

医療費の明細書

記入するのは、(1)医療を受けた方の氏名、(2)病院‣薬局などの支払先の名称、(3)医療費の区分、(4)支払った医療費の額、(5)(4)のうち生命保険や社会保険で補填される金額を領収書等から拾い上げて記入します。記入自体は難しいことはないかと思います。こちらの作成が終わりましたら次は申告書への転記となりますが、この明細書にもたくさんの数字や金額が並んでしまいますから、どこから拾うかをしっかりと把握する必要があります。1ページ目の一番下の「控除額の計算」ところに「A~G欄」があり、そこから申告書第一表、第二表へ転記すると指示があります。大変小さくてわかりづらいので気を付けて拾ってみてください。

 

また、そもそも保険者等から送付されている「医療費の通知」を添付書類とすることも場合によっては認められております。領収書をなくしてしまったが通知書(「医療費のおしらせ」などの名称で来るはがきなど)は持っている、というケースでも通知書に記載されている内容が一定の要件を満たすようであれば、医療費控除を受けれるということになっております。

 

セルフメディケーション税制を利用される場合も似たような明細書を作成することになります(セルフメディケーション税制の明細書)。 明細書の作成~申告書の作成については両者に大きな違いはなく、また明細書にも「選択適用」であることがはっきりと記載されています。セルフメディケーション税制対応の商品は領収書(レシート)にその旨の表示があります。また、ドラッグストアによっては、ネット通販等のサイトに「この薬は対象商品ですよ!」と記載してくれてますので、迷うことはないかと思います。

 

 2、こんな費用は医療費控除に該当するの?

実際に制度を利用していらっしゃる皆様からのご質問で一番多いのは何と言っても「この領収書つかえるの?」というものです。医療費控除と呼ばれている制度ではありますが、実際には医療というサービス提供を受けた対価はもちろんのこと、器具等の購入代金、交通費等の移動コストなど様々な内容を含んでいるため、その支払いが医療費控除の対象かどうかは非常にわかりづらいものになってしまっているように思います。そんなものは知っているよ!とお叱りを受けるかもしれませんが、代表的なものやよく勘違いされているものを列挙してみたいと思います。

具体的診療対象または対象外
治療風邪などの通常の診療対象
金歯等の高額材を用いた歯科治療対象(ただし治療目的に限る)
レーシック治療対象
歯列矯正審美目的は対象外、子供の治療は対象になると考えられる。
人間ドック対象外(ただし、その結果重大な疾病が発見され、その治療を行った場合には、人間ドックの費用も含めて対象となる)
カイロプラクティック対象外(ただし、有資格者が治療目的で行う場合は対象となる場合がある)
不妊治療対象
入院差額ベッド代対象外(ただし場合によっては対象となることもある)
器具等おむつ対象外(ただし、医師が発行する証明書その他の要件を満たす場合には対象となる場合がある。)
ストマ用装具対象
眼鏡・コンタクトレンズ対象外(弱視者の治療目的等の場合などにおいて例外あり)
旅費等遠隔地で治療を受けるための交通費対象
自家用車での通院対象外
タクシー代対象
介護居宅サービス対象となるものがある
施設サービス対象となるものがある
その他診断書作成料対象外
医師、看護師への謝礼対象外
扶養外の親族にかかる医療費生計を一にしていれば対象
介護サービス費用のうちどのどのような支払いが医療費控除の対象になるのかについては、細かすぎて書きき切れていませんが実際に領収書に記載があるものはすぐに判断できると思います。記載がないものも要件的に該当するものであれば対象となりますので是非税務署やパンフレット、さらには弊所に確認していただければと思います。

この内容だけで本が一冊かけてしまうほどの情報量がありますので、判別できなくて当たり前といえば当たり前です。しかも、気になるのが一年のうちでこの1か月だけですからね。書籍を買うのももったいないし、前年調べた内容も忘れてしまうなんてこともあるかと思います。あ~もう面倒くさ~い!!と思った方、是非一度相談にいらしてください。

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