国税庁タックスアンサー No.2030 還付申告

今回のタックスアンサーは還付申告についてです。当事務所でもリーフレットを用意してアナウンスしております(リーフレットはこちら)。

本来納めるべき税金よりも多めの税金を納めてしまっている場合に、「返してください!」というための申告になります。

還付申告になるケースとは?

還付申告となる理由は簡単です。それは「税金を払いすぎていること」です。

つまり、ある年の1月1日から12月31日までの所得を計算してみたら、想定よりも所得が少なくて、「源泉所得税」「予定納税」などですでに納付してしまっている税額よりも納付すべき税額が少なくなっている場合に還付申告ができることになります。

具体的には以下のようなケースがあります。

(1) 年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき(TA 1910

⇒サラリーマンを長くやっていらっしゃる方は、意識せずに「年末調整」を受けていることと思いますが、年の途中で退職し、その後仕事につかなかったようなケースでは所得税を払いすぎている可能性が高いです。

(2) 一定の要件のマイホームの取得などをして、住宅ローンがあるとき(TA 1210

⇒住宅ローンの残高の1%(年によって多少の誤差があります)だけ税額を控除してくれますからその分が払いすぎということになります。この処理は給与所得者であれば初年度だけ確定申告すれば良く、次年度からは年末調整での処理となります。ただし、控除を受け始める年によって、控除が受けられる期間、限度額等に違いがあるほか、東日本大震災で被災された方については期間の延長等の措置が講じられていますので、自身が受ける控除が何年に開始し、どのような条件となっているかを確認する必要があります。

(3) マイホームに特定の改修工事をしたとき(TA 1217

⇒「特定の改修工事」って何?ってことになりますが、「バリアフリー改修工事や省エネ改修工事、多世帯同居改修工事を含む増改築等」がそれに該当します。そして工事を行う際に住宅ローン等を利用することが条件となっており、その条件も細かく規定されています。

そもそも「省エネ改修工事」って何?って思いますし、「・・・増改築『等』」って何?って思いますよね。

条文にはかなり事細かに条件が規定されています。省エネ改修工事とは?ですとか、面積、床面積に占める改修部分の割合、などもちゃんと書いてあります。

中には他の減税策と併用が可能だったり、逆にどちらかしか使えなかったりするものもありますので、高額なリフォームを住宅ローンで行う場合には必ず確認をしておかれることをお勧めします。

(4) 認定住宅の新築等をした場合(認定住宅新築等特別税額控除)(TA 1221

⇒なんとも表現しがたいですが、一定の条件を満たした家を新築で購入したような場合には、通常の場合よりもよりもちょっとだけ多めに税額控除を受けられますよ、という制度です。

「認定長期優良住宅」ですとか「認定低炭素住宅」などが条件を満たした家になります。こちらの計算方法は独特で、通常の建築方法よりも多めにかかったコスト(かかり増し費用:上限あり)の10%を税額控除してもらえるという制度です。通常の住宅ローン減税との選択適用になりますから慎重に検討の上で選択する必要があります。

(5) 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(TA 1110

⇒こちらはいわゆる「雑損控除」のことです。「雑損控除」とは、災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。

災害や盗難は何となく「かわいそう」だし「被害を受けた人に落ち度がない」ですから、制度のねらいは理解できる気がします。ただし、横領被害の時は認めても詐欺被害の時は認めないというのは多くの方が違和感を感じられるところではないでしょうか。同様に恐喝被害の時も雑損控除は受けられません。詐取とは騙されて被害者が資産を提供してしまうことであり、喝取とは暴行や脅迫を受けて被害者が資産を提供してしまうことですから、被害者自らが資産を提供している点に着目していると考えれば、これらの区別は理解できなくもないです。

ただ、、、騙されたり暴行されたりした結果、自ら資産を提供した人に落ち度があるのかなぁ?って思ってしまいますよね。

いろいろ議論があるところではありますが、現行法では盗難は〇で詐欺は×と理解してくださいね。

なお、ぜいたく品や事業用の資産が損失を受けても、雑損控除は適用になりませんから、その点も知っておく必要があります。

(6) 特定支出控除の適用を受けるとき(TA 1415

⇒こちらは近年話題になっている制度ですね。「サラリーマン税金訴訟」なんてちょっと古いですが、要するにサラリーマンは経営者よりも不利な扱いを受けてる!!という訴えだったんですが、この特定支出控除を使えば、もしかしたら概算経費としての給与所得控除よりも多くの所得控除を受けられるかもしれないですよ、、、という制度です。

といっても、実際にはこの特定支出控除を受けられるケースはかなりのレアケースです。

給与所得を計算する際には、最初から給与所得控除という概算経費的な控除額を所得から差し引いてくれるのですが、通勤費や転居費、さらには資格取得のための費用等が給与所得控除の額の1/2を超える場合にその超える部分につき所得控除を認めます、、、ということなのですが、、、。

そもそも給与額が低い方であれば、給与所得控除後の額の1/2を超える費用を上記のような特定の支出をすることがあるかもしれませんが、ふつうはそれでは食べていけません。他方、高額な給与をもらっていらっしゃる方であれば、給与所得控除後の1/2となる額も高額になるはずで、その場合はその額を超える特定の支出が考えにくい、、、ということになるからです。

ただ、実際に該当する場合にはおそらくその方はその年に貯蓄を取り崩して使っているはずです。しっかりと所得控除を受けて還付を受けていただきたいと思います。

(7) 多額の医療費を支出したとき(TA 1120

⇒こちらはいわゆる「医療費控除」です。最近では「セルフメディケーション税制(弊所作成のリーフレットはこちら)」などもあり、何が何でも医療費10万円が必要、、、ということではなくなってきています。そしてご自身がご病気や事故などに遭われた年に医療費をしっかりと集計して、保険料により補填された額を差し引いて、、、、なんて大変なことができるわけありませんから、その翌年にでもじっくりと作業をしていただいて申告されることをお勧めいたします。

(8) 特定の寄附をしたとき(TA 1150

⇒以前は寄付といえば「学校に寄付」「日本赤十字に寄付」「特定政党に寄付」が寄付金控除の王道でした。ここ数年はすっかり「ふるさと納税(シミュレーションのご案内はこちら、過去の記事はこちらから)」が王道になっています。一番お得に税金を前払いし、そしてお礼の品を頂いたり、ここ数年続く大規模災害の復旧を支援するための寄付をしたり、選択肢は広がってきています。

ふるさと納税に関しては総務省からのお達しがありましたから、これ以上の過熱は望めませんが、寄付の本来あるべき「互助の精神」「助け合いの精神」に税務上の特典がいただけるのはありがたい限りだと思っています。まぁ、、、特定政党に対する寄付金に関しては微妙なところではありますけどね。

(9) 上場株式等に係る譲渡損失の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得等の金額から控除したとき(TA 1474

⇒上場株の譲渡損を配当所得から控除することが認められるようになったのは、つい最近(平成28年以降)だったりします。配当所得と譲渡損をぶつけることで源泉徴収されている配当にかかる税金を取り戻す、、、そんなことが可能になっています。実感としてですが、申告書を作成していて、なんか少し理不尽だなぁ、、、もったいないなぁ、、、惜しいなぁ、、、と思う機会が減ったのは間違いありません。

還付申告ができる期間

還付申告の要件を満たしている場合であっても、いつまでもいつまでも還付申告が認められているわけではありません。還付申告は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間行うことができます。

また、一度確定申告をしていた場合であっても、計算間違い等により所得額が過大に申告されているような場合には「更正の請求」をすることで払いすぎた税金を取り戻すことができます。これは還付申告であっても同様で、還付額がもっとあったはずなのに、、、ということであればさらに更正の請求ができます。期間は同じく5年となっています。

なお、この5年という期限については平成23年12月2日にそれまでの「還付申告書を提出した日又は法定申告期限から1年」という期限を延長する法律が交付されたことによるものです。

より広く還付・更正に門戸を開こうという趣旨だったようで、実際にこの点はとても使い勝手が良くなったという実感があります。

なんだか面倒くさいなぁ、、、で還付申告を忘却の彼方へ押しやろうとされている方、ちょっと待ってくださいね。面倒くさいのはわかりますが、そこをなんとか1~2時間くらい頑張っていただいて資料を集めれば、数万円の還付を受けられるなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?1~2時間で数万円であればそれはものすごく割のいい1~2時間だったことになります。

それすらも面倒だなぁと思われる方は、一度ご相談くださいね。

 

今回引用したリーフレット関係の資料は、当事務所「お役立ち>発表資料等」にございます。

立ち寄っていただけますと幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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