査察(マルサ)の概要 平成30年度 国税庁発表

いわゆるマルサです。

国税庁が13日に発表した資料によりますと、H30年度における査察事案のうち121件を告発したとのことです。

 

平成30年度 査察の主な目的

1.消費税の不正還付

2.無申告

3.国際事案

4.その他の社会的波及効果の高い事案

といった事案について査察が行われ、刑事告訴された121件全てが有罪判決を受け、うち7件は実刑判決が出されました。

消費税の不正還付

上記資料には、具体例としていくつか紹介されています。

事例1:免税店制度を悪用した不正還付

高額な腕時計の架空仕入れを計上し、これを外国人旅行者に販売したように架空売上を計上することにより消費税の還付を受けようとした事案。

 

お金を一切使わずに還付だけを受けようとしたわけです。

申告書は数字を埋めさえすれば(埋めなくても)提出できるわけで、その内容はそれを見ただけでは事実か否かは全く分かりません。そして輸出業免税店業は取引の全てが本業の売上だけであれば、そこに消費税がかかりませんので、仕入や経費で支払った全ての消費税が戻ってきます。

 

ですので、還付申告は調査が入りやすくなります。(査察ではなくても)

 

事例2:太陽光発電設備の取得を装った不正還付事案

太陽光発電設備を購入したように装って消費税の還付を受けた事案。

 

この資料を読んでいると、仕入にしても売上にしても架空計上がよく出てきます。

もし税理士が関わっていたら、その後税理士がお金と時間がいくらあっても生きて行けなくなるので、確実にやめさせるか手を引いてるでしょう。

 

また、こういうことをする人のせいで、全うにされている方々の調査が増えたり、余計に提出書類が増えたりなど、迷惑を被ります。

 

 

無申告

事例1:自動売買ソフトを利用し、数十の名義でFX取引により多額の利益を受けていたが申告をしていなかった

この人は過去にも所得税法違反で有罪判決を受けていたそうです。

事例2:元歌劇団のトップスターのファンクラブを創設し、多額の利益を受けていたが申告をしていなかった

 

税金を払いたくないという気持ちは分からなくはないですが、国税庁はバカではありません。

 

国際事案

事例1:香港法人に架空のインボイス(請求書)を発行させ、架空仕入れ(輸入仕入)を計上し法人税を免れた上に、その不正により得た資金を国外で個人に支払い源泉所得税を免れた

事案2:中古自動車の仕入の領収証を偽造し、虚偽の輸出許可通知書を作成し、架空仕入・架空売上(輸出)を計上し、消費税の還付を受けていた。

 

いくら還付していたまでは分かりませんが、架空仕入に架空売上とは呆れます。

こういう風に手に入れたお金はどういう気持ちで受け取るのでしょうか。

何も感じてないのでしょうけど、逆に気持ち良いとも感じていないと思いますので、もっと気持ちよく生きたら良いのにと思います。

 

その他の社会的波及効果の高い事案

事例1:好況なネット通販事業者の告発

インターネットや各種メディアを利用して自社商品を販売し多額の利益を受けていたが、不正加担者と共謀しその会社に架空の広告宣伝費等を支払い法人税を免れ、送金した資金を現金でバックさせるなどして還流していた。

この事案ではデジタルフォレンジックツールというものを利用して、スマホないのデータを解析して不正還流の事実を解明したそうです。

フォレンジック=「法廷の」といった意味があり、デジタルフォレンジックツールは、削除されたデータなどを拾い上げて復元する、法的証拠をつかむものためのツールです。

 

事案2:好況な不動産業者の告発

国内有数のテーマパーク近隣の開発予定地の不動産売買取引に関与し多額の利益を受けていたが、その仲介手数料収入を計上せずまた、架空の外注費計上を行っていた。

 

事案3:クラブ・キャバクラ経営者の消費税・源泉税事案

日本有数の歓楽街でクラブ等を経営する法人が経理責任者と共謀し、消費税を申告せず、店舗従業員の源泉所得税を一切納付していなかった

 

色々ありますが、どれだけ資料を作ってもその実態がなければ分かってしまうものです。

 

 

不正資金の隠し場所

○ 居宅階段下の収納庫に存在した金庫及びバッグ並びに脱衣所内の金庫の中(法
人税法違反)
○ 居宅応接間の金庫及び居室内の衣装ケースの中(所得税法及び法人税法違反)
○ 居宅寝室のベッドの下(法人税法違反)

リアルですね。

どこに隠しても無駄ですよということでしょうか。

 

一審判決の状況その他

冒頭のとおり、告発件数は122件で全て有罪判決が出ており、そのうち7件で実刑判決が出ています。

そしてその7件中最も重い罪で懲役4年6ヶ月でした。

そして、全体での脱税額は告発分のみで112億円でした。

 

 

H30年度の処理件数は166件とマンパワーも時間も限界があるでしょうから、件数はそれほど多くありません。

後から後からこういった事案は出てきていると思われますが、そのおかげで少なくともこれだけの税金が回収出来ていないわけです。つまり、そのおかげで不足する税収があるとすると、その人たちのために我々が税金を払っているわけです。

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