信用補完制度が拡充?されてます
融資を規定するルールが変わります!
「どれだけお金を借りられるか?」「そもそも貸してもらえるのかどうか?」
ビジネスにおける「信用」の有無はそういった意味で使われることが多いですよね。「信用は客観的に数字で評価される」というと、「え?数字で?」と違和感を覚える方がもいらっしゃるでしょう。ここで「信用がある」とは「希望の額を借りられる」ことであり、「客観的に数字で」とは「決算書がその判断基準となる」ということです。そして、その判断は銀行ごとに大きな違いがあるわけではなく、国が定める一定のルール(「金融検査マニュアル」)(金融庁が銀行を監査する際のマニュアルとして規定されています。)で規律されてます。つまり、A銀行で「融資できません」となれば、B銀行でも高い確率で「融資できません」となります。ただし、そんな硬直的な審査だと不具合があります。例えば、個別具体的に判断すれば融資が妥当な事業者に融資できなくなったり、伸ばせる事業を融資ができないばかりにダメにすることも起こります。そこで、状況に応じて柔軟な対応も必要ではないかということで「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」(簡易版はこちらのページから)なるものも規定されました。(当時は中小企業に対する「貸し渋り」「貸し剥がし」が問題になっていたこともあり、その対策であったことがこちらのページに分かり易く書いてあります。)
そのマニュアルが本年度(平成30年度)で廃止されます。今後どのようなルールが策定されるのか、ちょうど今「金融検査・監督の考え方と進め方(検査・監督基本方針)」に対するパブリックコメントの募集や対話会も終わったところです。銀行ごとの独自性ですとか色々な視点が盛り込まれそうなのですが、直接的には「金融庁が金融機関を検査する際のルール決め」の話で、「融資の可否」に関する話ではありません。もちろん関係がないわけではなく大いにあります。言葉だけ・スタンスだけではなく本当に「将来の収益性」などで貸せるようになると「信用」の意味が今より含みを持った温かいニュアンスの言葉に変わってくるのかなと考えております。
信用補完制度の改正
さて、前置きが長くなりましたが、要するに「信用がなければお金は借りられません」ということになっているわけです。そして「信用がない会社(個人事業主)」の典型例が「創業したばかり」の事業者と「赤字」の事業者で、その方たちがお金を借りるには誰かに「信用を補完してもらう必要があるでしょ!」ということで、信用保証協会(東京、千葉)を中心とした信用補完制度が設けられていたわけですが、これがこの4月から拡充されています(一部は「拡充」とは言えない変更ですが)。
何が変わったかというと、、、(主なものだけ抜粋します。全体はこちら)
①創業関連保証の拡充:創業チャレンジを促すべく、創業関連保証の付保限度額を拡充(1000万円→2000万円)。
②小規模事業者への支援拡充:小規模事業者の持続的発展を支えるため、特別小口保険の付保限度額を拡充(1250万円→2000万円)。併せて、小口零細企業保証についても同様の措置を講じる。
③特定経営承継関連保証の創設:事業承継を一層促進するため、法の認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする資金 (株式取得資金等)を信用保険の対象とする。
④経営改善・事業再生の促進、再チャレンジ支援等:経営改善・事業再生を促す保証メニューを充実させるとともに、抜本再生の円滑化(求償権放棄条例の整備等)を進め、信用保証協会も経営支援を実施すべく機能強化を図る。
このような拡充が行われる一方で、厳しくなったものもあります。それは保証割合の減額変更です。(中小企業の経営改善や事業転換等を一層促していくことにつながるよう、不況業種を対象としたセーフティネット保証5号の保証割合を100%から80%に変更)。
注目したいのはやはり「創業関連保証の拡充」です。これまで地方公共団体が用意する制度融資は実質的に1000万円が上限(それ以上は相当額の担保提供が必要になっている、など)になっており、どれだけ事業プランが優れていても描いた形でのスタートを切れない方がいらっしゃったかと思います(船橋市の制度融資もこのように変わっています。)。
これで目の前のハードルを一つクリアできるかもしれない!!と感じていらっしゃる方、まずは融資の条件を確認してみてください。
(参考:制度融資リンク 千葉市、船橋市、市川市、浦安市、東京都、千葉県⇒ほとんどのサイトが4月1日あるいはその前後で制度融資の情報を更新ししています!! そもそも制度融資って?という方はこちら)
設立に関するご相談は「ちょっとまだ早いかな・・・」くらいで来ていただけるのが実はちょうど良かったりします。設立自体は「お願いします」と言っていただければすぐに作業を開始できますが、助成金や融資もとなると、事業プランのかなり詳細な確認や提案なども必要になります。
起業を思い立ったら、まずはお会いしてお話を聞かせていただければと思います。