「笑顔が素敵だから採用します」は正しいのかもしれません。

お客様にご相談いただく内容を多い方から5個教えてください、という質問を頂いたとすると、、、、、、

間違いなく入ってくるのが従業員の採用やマッチング等の問題です。

基本的なスタンス

採用やマッチングなどの問題を相談されても、私たちの方から「こういう人は雇うべきだ」、「こういう人は早々にやめていただくべきだ」などということはまずありません。

「採用」は「値決め」と同じくらいお客様の事業にインパクトを与えるイベントです。

どんな人に働いてもらいたいのか、どのように働いてもらいたいのか、将来どんな人材になってほしいのか、、、?

採用を考えるということは、会社の(現在と将来の)ことを考えることであり、それができるのは基本的には経営者だけです。

私たちができるのは、人材募集の方法(ハローワーク、求人誌、WEBサイト等)であったり、面接の方法やコツなどを紹介し説明するくらいです。

また、従業員をどのように評価するかについても、一般論としての方法論はお伝えできても実際の評価について口を出せるものではありません。

なぜなら、売上が低くても会社への貢献度は高く、逆に売上が高くても会社への貢献度は低い、、、ということがあり得るからです。

これは私たちの専門領域である「数字」が万能ではないことを思い知らされる場面でもあります。

また、従業員とのトラブルの場合には、かなりのストレスになることが多いですから、お話を真剣に聞かせていただきます。

その上で、必要であれば弁護士や社会保険労務士への相談を提言したり、ご紹介させていただいたりという対応を致します。

面接だけではわからなかった、、、を減らすために

従業員とのトラブルを避けるために最良の方法は、採用の場面での誤解や間違いをなくすことです。

これはそのまま従業員の満足度や生産性にもつながってきますから、経営に直結するとても重要ことといえます。

履歴書や職務経歴書を提出していただいたり、面接当日に簡単なヒアリングシート・小テストなどを用意するといったことは多くの会社で実施されています。

その場合、学歴・職歴、居住環境、所得状況、家族関係などなど面接を受ける方の客観的な情報をいただいた上で面接し、その情報を一定のモノサシ(表情1~5、声の大きさ1~5など)で評価した上で最後に面接官の印象を記載する、、、といった運用が予定されているはずです。

ところが、複数名の方に同じように資料を提出してもらい、同じように面接し、同じような評価をして採用した方々が、ある人は期待通りの仕事をモチベーション高くこなしてくれ、またある人は期待したほどの成果を上げられずモチベーションも下がってきたりします。そして、ある人はその職場を働きやすいと感じ、またある人はそうではないと感じたりということもよく聞く話です。

履歴書や職務経歴書からその人の仕事力を過大に評価しすぎていた、面接時のヒアリングシートや実際の面接時の様子からはわからない問題を抱えている人だった、という採用する側からの意見も、最初にいただいた情報と実際とが違っていた、給与や労働条件等で約束していたことが守られなかった、同僚や上司との相性が悪い、そもそも何のために雇われたのかわからないという採用される側からの意見も、どちらも大いにあり得ます。

おそらくは、ミスマッチの原因がどちらサイドであったとしても、経営者は思うはずです。「あの短い面接時間ではあの人のことを理解できてなかったな・・・」と。

そこで、ミスマッチを減らす努力が必要になるわけです。

その際、経営者としては、最低限3つのことに気を付けるべきです。

1、情報開示

社名や事業内容は当たり前に開示しなければならないのでここでは触れません。ここであえて言いたいのは「職場環境」についてです。雰囲気、従業員の年齢構成、男女比等はもちろんのこと、働きやすいと考えられる人物像等も伝えられるとよいと思います。可能であれば、実際に入職した方のインタビューや一日の仕事の流れをWEBサイト等に載せておけば伝わり易いと思います。「想像していたのと全然違いました」ということが無いように、という姿勢で開示内容を決めていただければよいのだと思います。

2、条件提示

給与、就業時間、就業場所、職務内容などなど、およそ雇用契約書や労働条件通知書に記載される内容は、遅くとも面接時までに「こんな感じで採用したい」とお伝えしておくべきです。もっと言えば、「今回の募集はこんな方をこんな条件で雇いたいと思っています。」と最初から絞り込んでおいてもよいかもしれません。例えば、「居住場所は弊社から徒歩圏内または電車で20分圏内の方に限ります」「経験者のみ」「週8時間~19時間までのパートタイムの方に限ります。」「扶養の範囲内で働きたい方限定です」という感じです。

3、面接シートの工夫

履歴書や職務経歴書は当然提出していただくべきですが、それだけでは採否の判断には使えません。具体的に特定の仕事を任せたいと考えているときには、その仕事を任せられるかどうかの判断を面接時にする必要があります。思いつくまま、気の向くままに質問をしてもいいのでしょうが、採用候補が複数名になった場合の比較判断の材料としてはあまりに不安定です。その仕事を任せられるかどうかについて直接的に影響する質問事項を事前に考えておく必要があります。また、それを面接時に文書で書いていただいてもよいかもしれません。他の質問事項(ヒアリングシート等)に紛れ込ませて、本音や本質を引き出すといった工夫をすることもできるからです。

これ以外にもやるべきことはあるかもしれませんが、最低限これをやるだけでもミスマッチは減らせます。

またトラブルかぁ、、、で心が折れる前に

どれだけミスマッチを防ぐ努力をしても、雇用契約は通常は長期にわたることを予定しており、従業員は契約期間中に生活環境も変わればニーズも変わります。会社サイド側にしてみても、その従業員に求める役割や仕事が変化することもあり得ます。

採用時からずっと同じ環境、同じモチベーション、メンタリティで仕事を続けられる人の方が少ないはずですから、トラブルや労使の問題になることを避けるためには、採用する側にも変化に柔軟に対応する姿勢が必要になります。

このような話をすると、「採用する時点でそこまで考える必要があるのか」ですとか、「そんなことなら従業員なんて採用しません」と言い切る方もいらっしゃるかもしれません。

実際に何度もトラブルを経験されるとそのストレスから採用を諦めてしまう方(最後まで「一人で良い」と考える方、従業員はあくまで手足や道具だと割り切り、仕事さえしてくれれば「誰でもよい」と考える方など)もいらっしゃいます。

確かに、人と人の問題は大きなストレスです。労使のトラブルだけではなく、経営者は「労働者と労働者」のトラブルの責任も取らなければならないケースもあり、面倒くさくなってしまったり、嫌になってしまう気持ちもよくわかります。

ただ、それは経営者として事業を拡大するチャンスをみすみす手放すことにもつながりかねない「諦め」ですし、せっかく一緒に仕事をしてくださる方を手足や道具だと「割り切る」のは少々寂しさを感じます。

そこで、そうなる前に知っておいていただきたいことを書いてみます。

つながり

おそらく、多くの経営者が欲しい人材は、ものすごく抽象的に表現してしまえば「一緒に仕事をすることで本人も経営者もお客様もハッピーにしてくれる人」ではないでしょうか?

「そんな人なんているわけないよ。」「場所も時期もお金もこれだけ限定しているのに、そんな簡単にそんな人が来てくれるわけがない」「理想は理想、現実は現実」「いくら出したらそんな人が見つかるの?」

同じように尋ねられたら、このような心の声が思わず漏れ出てしまいそうな理想論だなと感じます。

ところが、ことはそんなには難しくはなさそうなんです。

ニコラス・A・クリスタキスという学者によると、人は人と人とのつながりの中で、さまざまに影響しあいながら生活をしており、そこでは「幸せ」は伝播するということを述べられています。

(ニコラス・A・クリスタキス,ジェイムズ・H・ファウラー『つながり社会的ネットワークの驚くべき力2008、講談社

TED日本語版⇒https://www.ted.com/talks/nicholas_christakis_the_hidden_influence_of_social_networks/transcript?language=ja

伝播する範囲や度合いについても細かく書かれているので気になる方は書籍を読んで見られてもよいと思います。

大事なことはこの研究は「思い込み」や「想像」等ではなく、多くの実例を集めて分析した結果として発表されていることです。よっぽど明らかな反証がない限り、おそらく正しい考え方なんです。

そうすると、自分も自分のお客様も幸せになりたいのなら、「今現在幸せな人」をとりあえず雇ってみるというところから始めてみてもよいのではないか、ということなんです。

採用なんて簡単じゃないか!!とほんの一瞬だけ考えたのですが、大きな問題があることに気づきました。

幸せって何?」「どうやって評価するの?

人によって幸せをどう定義するか、何をもって幸せと感じるかは異なっている可能性もあり、一義的に決まるものではないのではないか、、、という疑問がわいてきます。

そうなると、どうにも判断がつかないですね、、、。

ただ、典型的な幸せは考えることができるでしょうし、WEB上で見かける「幸福度チェックテスト」などの根拠を探してみてもよいのかもしれません。

でもまずは、とりあえず自分なりに視て「幸せそうだ」と思える方がいらっしゃれば、その方の「笑顔」をみて採否を決める。

こんな判断基準でも案外悪くはなさそうな気もします。

さて、そうなると、また考えないといけません。

で、どうやって笑わせればいいんだっけ?

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