国税庁タックスアンサー解説 No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

土地の減額特例

相続税には様々な減免措置がとられていますが、小規模宅地の特例は、土地の評価額に対する減額の特例です。

種類

小規模宅地の特例には以下の4種類があります。

1.特定事業用宅地等

2.特定居住用宅地等

3.特定同族会社事業用宅地等

4.貸付事業用宅地等

等がつくのは、土地だけでなく借地権など土地の上に存する権利についても適用があるためです。

 

特定事業用宅地等

特定事業用宅地等とは、相続開始直前亡くなった方又はその生計を一にする親族がその土地を事業用として使用していた場合のその土地を指します。

ただし、事業のうちには、不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を含みません

面積としては400㎡までで、80%の評価減を受けることが出来ます。(2.特定居住用宅地等との完全併用が出来ます。)

この土地を、被相続人の親族で、次の要件を満たす人が相続した場合に、特例を受けることが出来ます。

 

要件ですが、まず、

・亡くなった方がその事業を営んでいる場合について、

1.その事業を申告期限(相続開始から10カ月)までに引継ぎ、かつ、申告期限までその事業を営んでいること。

2.その土地を申告期限まで所有していること。

 

そして、

・亡くなった方と生計を一にしていた親族がその事業を営んでいる場合について、

1.その相続開始の直前から、申告期限まで引き続きその土地でその事業を営んでいること。

2.その土地を申告期限まで所有していること。

 

H31年改正により、H31年4月1日以降の相続では、上記の事業について、相続開始から3年以内に開始した事業については、基本的に除くものとしています。これは、小規模宅地の特例を受けるためだけに事業を開始することを防止したものです。

但し、その土地の相続時評価額のうちに占めるその事業の事業用資産の割合が15%以上であるときは、例外として特定事業用宅地としての事業と認めることとなっています。

 

特定居住用宅地等

特定居住用宅地等とは、相続開始直前亡くなった方又はその生計を一にする親族居住していた土地を指します。

面積としては330㎡までで、80%の評価減を受けることが出来ます。(1.特定事業用宅地等、3.特定同族会社事業用宅地等との完全併用が出来ます)

その亡くなった方の親族で、取得者ごとに次の要件を満たす人が取得した場合に、特例の適用を受けることが出来ます。

 

・亡くなった方が居住していた土地の場合

①配偶者:要件はありません。無条件に適用を受けることが出来ます。

②同居親族:相続開始直前から申告期限まで引き続きその建物に居住し、かつ、相続開始時から申告期限まで所有していること。

③①と②以外:以下の6つの要件全てを満たすこと

1.取得者がこちらの一番下の図のうち、白色の部分で日本国籍ありの部分であること

2.亡くなった方に配偶者がいないこと

3.亡くなった方と同居していた相続人である親族がいないこと

4.相続開始前3年以内に日本にある、その居住用宅地の取得者・取得者の配偶者・取得者の3親等内の親族などが所有する家屋亡くなった方が居住していた家屋以外の家屋)に住んだことがないこと(いわゆる家なき子要件)

5.相続開始時に取得者が居住しいている家屋を過去所有していたことがないこと

6.その土地を相続開始時から申告期限まで所有していること

 

・亡くなった方と生計を一にする親族が居住していた土地の場合

配偶者:要件はありません。無条件に適用を受けることが出来ます。

亡くなった方と生計を一にする親族:相続開始時から申告期限までその土地を所有し、かつ、相続開始前から申告期限までその土地に居住していること

 

特定同族会社事業用宅地等

特定同族会社事業用宅地等とは、相続開始の直前から申告期限まで一定の法人の事業用であった土地を指します。

面積としては、400㎡までで、80%の評価減受けることが出来ます。(2.特定居住用宅地等との完全併用が出来ます)

一定の法人とは、亡くなった方その親族等が支配する法人を指します。

事業には、不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を含みません。

その亡くなった方の親族で、次の要件を満たす場合、特例を受けることが出来ます。

1.相続開始時においてその法人の役員であること。

2.その宅地等を申告期限まで所有していること。

 

貸付事業用宅地等

貸付事業用宅地等とは、相続開始直前亡くなった方又はその生計を一にする親族貸付事業用に使用していた土地を指します。

面積としては200㎡までで、50%の評価減を受けることが出来ます。(他の宅地等と併用すると、合計が200㎡までとなるよう案分計算されます)

貸付事業とは、不動産貸付業、駐車場業、自転車駐車場業及び準事業を指します。

その亡くなった方の親族で次のそれぞれの場合で、それぞれの要件を満たす場合、特例を受けることが出来ます。

 

・亡くなった方の貸付事業用としていた場合

1.その貸付事業をその亡くなった方の親族が、申告期限までに引継ぎ、かつ、申告期限までその貸付事業を行っていること。

2.その土地を申告期限まで所有していること。

 

・亡くなった方と生計を一にする親族が貸付事業用としていた場合

1.相続開始前から申告期限までその貸付事業を行っていること。

2.その土地を申告期限まで所有していること。

 

まとめ

貸付事業用宅地等のみ、50%の評価減でかつ特例の完全併用が出来ませんので、もし事業用宅地や居住用宅地とともに貸付事業用宅地があるような場合は、事業用宅地や居住用宅地について優先的に特例を受けることによって、負担する相続税の金額が低くなりますので、しっかりとシミュレーションをする必要があります。

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