電子カルテや電子処方箋などの医療DXには、サイバーセキュリティ対策も欠かせません。厚生労働省は2026年6月、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインとチェックリストを改定しました。主なポイントを整理しました。
チェックリストで確認を
2023年4月から、医療機関や薬局にはサイバーセキュリティ対策を講じることが、法令上も求められています。また近年は、医療機器に接続するVPN装置等、外部ネットワークとの接続点の脆弱性を狙ったサイバー攻撃がみられ、厚生労働省も改めて注意喚起しています。
厚生労働省のチェックリストには、優先的に取り組むべき事項がまとめられています(下表)。チェックリストには、医療機関・薬局確認用と事業者確認用があります。システムの保守を委託している場合などは、事業者と対応状況や役割分担を確認することも大切です。
■厚生労働省のチェックリスト2026年版の主な確認事項
| 項目 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 管理体制 | □医療情報システム安全管理責任者を設置しているか |
| 機器等の管理 | □サーバ、端末、ネットワーク機器を台帳で管理し、設置場所や利用状況を把握しているか |
| アカウント | □退職者等の不要なアカウントを削除・無効化しているか |
| パスワード等 | □パスワードを適切に設定し、対象となるシステムで二要素認証の導入または導入予定を確認しているか |
| 外部記録媒体 | □USBストレージ等の接続を制限しているか |
| バックアップ | □必要なデータをバックアップし復旧手順を確認しているか |
| 緊急時 | □緊急連絡体制を整備し、サイバー攻撃を想定したBCPを策定しているか |
病院ではどのくらい対策が進んでいる?
厚生労働省の調査(※)によると、職員への情報セキュリティ研修の実施は約63%、サイバー攻撃を想定したBCPの策定は約75%でした。一方、二要素認証を導入している病院は約11%となっています。
(※)「病院における医療情報システムのサイバーセキュリティ対策に係る調査」
2026年3月末時点。5,736病院が回答。
サイバー攻撃を受けると、診療に支障が生じたり、患者の個人情報が窃取されたりする可能性があります。こうした事態に備えるBCPの確認表やひな形も、厚生労働省より公開されています。以下のサイトでご確認ください。
[参考]
厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(令和8年6月)」
本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。