寄付金、義援金、支援金 ~ 災害関連 ~
ここ数年で何度目でしょうか?予期せぬ自然の猛威にこれまでの日常生活が脅かされ、元の生活に戻るまでには長い長い月日と多額の資金が必要となる災害が起き続けています。
私自身、この状況に何かをしたいと感じずにはおれません。少しでも、わずかでも、という思いから寄付等を行ってきましたが、一人ではその額も効果も本当にわずかばかりにしかなりません。
同じような思いを持ちながら、なんだかよくわからないなぁ、被災者にほんとに届くのかなぁ、といった疑問などからまだ行動を起こされていない方に向けて、寄付金、義援金、支援金についてまとめてみました。
言葉の意味
寄付金、義援金、支援金という3つの言葉にどのような意味と違いがあるのか。
図解で一番分かりやすいのは、日本財団が作成しているこちら↓だと思います。
支援金とは、被災地等で(復興)支援活動を行う組織(NPO等)の活動に使われるお金のことを言います。
支援活動にすぐに使ってもらえるため、復興・復旧への影響力は即効性という意味で大きいといわれています。
義援金とは、被災者の方々へお悔やみもかねて送るもので、赤十字等が窓口になっています。
被災者に直接届きますから、最終的には送る側の気持ちは伝えてもらえるのですが、公平性を優先するためその分配の判断に時間がかかるそうです。
つまり、もしかしたら必要な時にはお金が届けられない可能性があるということなのでしょう。
被災地、被災者の方々のためにお金を送る行為も、その送り方によって効果も違ってきますから、しっかりと調べていただいてご判断いただければと思います。
それから、寄付金という言葉はこの義援金と支援金を含むもっと大きな意味を持つ言葉になります。
こんな感じですね。寄付金というときには被災地や被災者のためにお金を送る行為に限定されません。特定の政策目的に使われることが予定されている国、地方公共団体、学校等への寄付も寄付金ということになります。
そして、税法はこれらの寄付金、義援金、支援金を全く別の視点で整理・区別しています。
寄付金の種類と効果
税法では寄付金の種類をいくつかの始点で整理分類し、特定の寄付金に該当するとなれば特典をあげましょう、というルールが定められています。
特典をもらえるかどうかは以下のような視点で決められています。
1、誰が寄付をするのか?
⇒法人(会社)なのか、個人なのか
2、誰に寄付をするのか?
⇒国、地方公共団体、NPO法人、政党など
3、どんな活動に対して寄付をするのか?
ちょっとわかりにくいのでまとめます。
まとめてみましたが、、、、ここまで細かいと分かりづらいですね、、、(念のために国税庁の寄付金に関するページはこちらです⇒https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_3.htm)。
基本的には、「国や地方公共団体、公益性が高いと一般的に認められる団体、財務大臣が指定する事業等に対する寄付」は、税務上の特典をもらえますよということになっています。もちろん、災害支援もかなりの確率で税務上の特典を受けられることになっています。日本赤十字社(http://www.jrc.or.jp/contribution/)を見ていただければご理解いただけるかと思います。
そして、税務上の特典を簡単に説明しますと、
個人で寄付・・・寄付金控除:寄付額から2000円を引いた残額を所得から控除してもらえる制度(ex.10,000円を寄付したら2000円を差し引いて8,000円の所得控除になります)。
国税だけではなく、住民税についても法律や条令により控除制度が認められています。ふるさと納税は以下のような取り扱いです(それ以外にも住民税の税額控除が認められる寄付制度があります)。
(総務省WEBサイト⇒http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/about.htmlより引用)
法人で寄付・・・全額損金算入:寄付全額が他の経費と同じように取り扱われます。(一般の寄付金の場合は特殊な計算をすることになります。⇒*)
「所得から控除」も「損金算入」もその効果は近似していて、税金を計算する基礎となる「課税所得」を減らしてくれるという効果を持ちます。
大事なこと
被災地に支援金・義援金などの名目で寄付する際には、
1、自分が望む通りの効果を目指せる方法なのか(上記支援金・義援金の区別参照:スピードを優先してほしいのか?公平性や確実性を優先してほしいのか?)を確認すること
2、税務上の特典を頂けるものなのかを確認すること
3、その特典を受ける手続きを確認すること
をちゃんとやっておくことが大事です。
分かりやすいのは、ふるさと納税を利用した寄付(上記表中の「特定寄付金-国又は地方公共団体に対する寄付」に該当)ですね。これは被災地である「市区町村」に寄付するものであり、義援金と支援金の別でいえば「支援金」ということになります(すぐに復興・復旧活動に使っていただけることになります)。税務上の特典をいただけますし、手続きとしては所得税の確定申告でも良いですし、ワンストップ特例制度も使えます。
復旧・復興には時間もお金も人手もかかります。私たちは直接被災地や被災者を応援していますし、「気持ちだけ、少しだけでも支援をやってみようという方」も応援させていただきたいと思っています。