事実に目を向ける
スマートフォンが普及する以前から、ニュースを携帯電話で読む習慣や文化は広まりつつあったように思います。
そして、スマートフォン普及後は、情報獲得手段としては完全にテレビ等に取って代わった感があります。
さらに、ツイッターのような即時性の高い情報共有(拡散)ツールやニュースアプリ等の情報収集の手間を省いてくれるツールが出てきて、進化している現在では、その変化はスマホ依存の一端を担う程度にまで達しているような気がします。
依存は依存で問題なのですが、私が気になっているのは、取得できる情報の質が変わってきたように感じる点です。
それはどういうことかといいますと、、、、
「こういう事実がありました」というシンプルな内容から、誰かの意見・見解・評価がまるで客観的な事実や出来事のように伝えらえるようになってきた、と感じているということなんです。
もちろん、新聞には社説があったり、記事を書く記者やその記事にGoを出す責任者の意思や見解が含まれていなかったわけではないでしょうし、ラジオやテレビのニュース番組もスポンサーの意向を全く無視することはできなかったでしょうから、似たようなものだと思います。
ですから、媒体が変わったから情報の質が変わったというのは、もしかしたら言い過ぎなのかもしれません。
ただ、、、、ニュースアプリによって集められてくる記事、沢山のリツイートがされているツイートを見るにつけ、「事実がわからないなぁ?」という感覚が強くなります。一言でいうと「読み物」感、「物語仕立て」のものが多くなったといいますか、、、。
一つの事実を、様々な角度から評価・分析し、そこにストーリーを見出し、文章で伝える。この一連の流れ自体を否定するつもりも全くありませんし、物事を伝える際にストーリーを作って伝えていくやり方は効果的です。
ただ、物事を伝える場合には「事実」と「評価」は厳に区別されるべきです。
それがいっしょくたになっていると、何が事実かわからなくなってしまいますし、「評価」が含まれていれば本来はその根拠も確認する必要があるはずです。もっと言えば、「誰が」そう思ったのか(評価したのか)?まで確認しないことには、それが信用できる記事かどうかわからない、とすら感じます。
このところ目にするネットニュースやツイートに関しては、この感じが強いんです。
もちろん、伝える側の伝え方だけの問題とするのではなく、受け取る側も評価と事実をちゃんと意識的に読み分ける、そんな努力も必要だと感じています。
そしてこれは職業柄、必ず持っていないといけない意識だと思っています。
あの現場で何があったのか?
世の中で何が起きているのか?
会社で何が起きているのか?
明日の天気はどうなるのか?
すべての「事実」を「事実」として、「評価」を「評価」として切り分け、その「事実」を使って少し先の「事実」を予測する。
経営においてもこれは非常に大切なことです。
経営判断の根拠が、「おそらく・・・」「本当は、、、」「うまくいけば、、、」「私が思うに、、、」では、その判断が正しいと考えることは難しいです。
社内の事実は数字で拾えるはずです。通帳の記載、会計データ、試算表、その他の帳票から過去と現在の事実が見えてくるはずです。そして、外部環境は外部のデータを使います。
今回も紹介になりますが、より「一般常識」に近い統計データはここで確認するのがお手軽です。
統計ダッシュボード
⇒https://dashboard.e-stat.go.jp/
サイトはこんな感じです。
統計について、簡単に学びたい人はこちらですね。
なるほど統計学園高等部(http://www.stat.go.jp/koukou/index.html)⇒高校生用のサイト
なるほど統計学園(http://www.stat.go.jp/naruhodo/index.html)⇒小中学生用のサイト
このところ、紹介ばかりしています。面白くて紹介したくなるツールやサイトが増えてきているからなのですが、一方で、予算があるのだからこれくらいのことはやってもらわないとという思いもあります。
今日のところは、ここにこういうシステムがあるという「事実」をお伝えするところまでと致します。
そして、面白いかどうかの「評価」をお聞かせいただけるといいな、と思っています。