段取り八分、逆算で物事を考える、優先順位、、、効率性・生産性って何でしょうね?
日本企業の生産性の低さは先進諸国、特にG7加盟国あたりで比較すると最下位なんだそうです。OECD加盟国の中でも20番目。「働き方改革」の一つのテーマとして取り上げられている理由がこういった他国との比較にもあることは容易に想像できます。そして生産性が低いのは「労働時間が長いから」という結論に至るわけですね。
労働時間を減らすと仕事で健康を害する方が減り、かつ自由時間が増えることで消費活動による経済効果が上がる・・・こんなストーリーなのでしょう。ほかにも、売上を下げずに労働時間を減らせれば、人件費が下がることで経営は楽になり、法人・経営者はもちろんのこと従業員の給与も増える、こんなストーリーも考えられます(「働き方改革の実現」首相官邸WEBサイト)。これらのストーリー自体は非常に歓迎すべきものではあるのですが、「ことはそう簡単ではない」という声がいろんなところから聞こえてきそうだなと感じてしまいます。
というのも、この「生産性や効率性を考える作業」自体、何も今始まった話ではなく、以前からずっと「経営者が考えなければならないものの一つ」であったはずです。「他社よりも品質が良くて安ければ売れる」多くの皆さんがそれを正しいと考えていらっしゃったわけですからね。「安くできる理由を作ること」これは生産性や効率性を上げることとなにが違っていたのでしょうか?それをちょっと視座を変えて、角度を変えて、お題目として提示されても、「あれ?これまでやってきたことと何が違うんだろう?」「制約や義務ばかりが増えてメリットなんてないではないか!」と感じこそすれ、「あらためて性根を入れ替えて取り組もう!」なんて気持ちになれるのだろうかと考えてしまうからです。
また、生産性や効率性は基本的に「安くする」ための努力であって、コストを下げても売値を下げないことが前提になっているようなストーリーには違和感を覚える経営者の方が多いのではないでしょうか。「そんなの他社が価格競争を仕掛けてくるに決まっている!!」、、、その通りだと思います。
じゃ、「これまでも頑張ってきたんだからこのままでいいでしょ」を肯定するのかというと、、、”否”です。やはり、「生産性や効率性を上げないことには会社や事業体の将来はない」というくらいの気持ちで変えていかないといけないのだと思います。人工知能(AI)の実用化、労働人口の減少、多種多様な製品のライフサイクルが短くなっていること、などなどその必要性を言えばきりがないくらいです。つまり、、、やっぱり「生産性・効率性を劇的に変えられる何か」をこれまで以上に考える必要性はあるんです。
そして、ここで間違ってほしくないのは「効率性や生産性を上げる」の「意味」についてです。
仕事である以上、どんな仕事でも「求められる品質」のものを「定められた期限内」に提供することが要求されているはずです。このような「仕事」本来が持つ「品質と期限」を無理なく確実にクリアするために、昔から「段取り八分」、「逆算で物事を考える」、「優先順位をつける」などのいわば「分かり易い工夫」が考えられてきました。
そして、この「分かり易い工夫」のことを「生産性」「効率性」だと誤解し、「段取りをちゃんとやれば効率が上がる」「物事を逆算で考えれば生産性が上がる」と考えてしまっている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
先にも書きましたが、これらの「分かり易い工夫」は「品質」と「期限」を達成するためのものであって、決してここで求められている「生産性や効率性」を上げてくれるものではありません。
求められているのは「作業時間を短縮」してくれたり「時間当たりの生産量」を増やしてくれたり「価格競争に巻き込まれない品質やアイデア」であるはずです。単価を下げたり、品質を劇的に上げたりするためには「段取り」「逆算」「優先順位」の上にもう一段の手だてが必要なんです。
そして、その「もう一段の手当て」を一緒になって考えたり、資金手当てのお手伝いをしたり、納税額が安くなる制度を利用したり、、、、。
「経営革新等支援機関」にはそんな役割が求められているのかもしれません。
それで、何ができるの?と気になった方は、是非お話に来てください。心よりお待ち申し上げております。
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