キッズページを経営者目線で評価する

人口減少社会、急激な高齢化、労働人口の減少、、、、これらは1990年代にはほぼ既定の事実となっていたはずです。

個人的には全くもってそんな実感はなく過ごしていた時代でしたが、少し前から、、、仕事で人口推計等をよく眺めるようになったころからでしょうか、間違いなく起きる将来の出来事としてとらえ始めました。

このことと関係があるのかどうかはわかりませんが、政府、各省庁、大手企業だけではない一定規模以上の企業のWEBサイトに続々と「キッズページ」が登場し、その充実度も年々上がってきていることをご存知でしたでしょうか?

なぜ? 私が考える「キッズページ」が広がりを見せる理由

これまでも、ほんの触り程度ですが、このコラムで紹介したものもあります。

大人・社会人相手が大前提で、検索してきてくれる人・分かる人にだけ分かってもらえばよいというサイトは本当に減ってきました。

大きな組織のサイトだけではなく中小の組織のサイトにも「より身近に」「分かりやすく」「自分たちの周りの・・・」「親子で学ぶ・・・」こんな言葉が並び始めています。

個人的にですが、この傾向はもろ手を挙げて大賛成です。

我々のような専門職はもちろんですが、小売業や飲食業、理美容業や医業などいわゆる普通のお仕事だってその仕事をしていない方たちにとっては具体的な仕事の中身については未知の世界です。

ましてや子供たちにとっては何が何やらというお話でしょうし、たとえ身近な仕事であってもそれが家業でもなければなかなか具体的なお仕事の内容までは理解できないはずです。

近くの大人が「何になりたいの?」と聞いたところで本当の意味での将来像を画けるわけがありません。そのお仕事がどんなことをするのか?だったりその仕事がどのように社会に役立っているのかだったり、そんなことを理解できる情報がこれまでは少なかったように思います。子供たちの「職業」「仕事」に関する情報は、基本的にその子供たちの近くにいる大人が持っている情報以上ではありません。ですから、子供たちが自分の手でより広く情報に触れられる機会を手にすることができるという意味でとても良い傾向だと考えます。

子供たちに憧れや目標、夢をできるだけ明確にしっかりと持たせてあげられる環境を作る。そんな目的意識が強く感じられます。

また、作成者は、子供たちに選ばれない職業はこの先いずれ衰退していく可能性が高いことを感じ取っているのかもしれません。

単に来訪者数の獲得やページランクの向上を狙って作成されているとは思えないほどのサイトが次々に出来ていること、すぐにマネタイズできるわけではないのに時間とお金をかけて作りこんだサイトが増えてきていることなどからすると、そんなことまで考えてしまいます。

また、子供だけではなく、対大人を考えても、やりたい仕事と実際の仕事のミスマッチを減らして充実した職業人としての生活を送る人が増えることは個人の幸せを考えるときには重要なファクターの一つになるはずです。一生涯を一つの仕事に費やすというライフスタイルは、終身雇用制が実質的にも形式的にも維持されない社会ではレアケースになっていきます。希望して転職される方はもちろんのこと、結婚、出産、育児を経て仕事に復帰する方にとってもこれらの情報はためになるはずです。

 

このあたりのことがキッズページに本気で取り組む組織が増えてきた理由なのではないかと考えています。

 

どんなページがあるの?

さて、キッズページに興味を持たれた方は、是非「キッズページ」で検索してみてください。面倒くさがりの方はこちらをクリック(Googleの検索結果)

5億件以上の検索結果が出てきますが、、、

・政府広報オンライン キッズページリンク集 https://www.gov-online.go.jp/kids/

⇒国税庁や財務省のキッズページもこちらにあります。そのほか、充実したキッズページのリンク集です。キッズページの作成のヒントになるものも多そうです。

 

 

 

 

 

・千葉県のキッズページ 「子どものページ」 https://www.pref.chiba.lg.jp/cate/kt/kouhou/kids/index.html

⇒コンテンツには「チーバくんといく千葉!」などがあり、なかなかの充実ぶりです。

 

 

 

 

 

・なんと船橋市も持ってます「船橋市役所 こどもホームページ」 http://www.city.funabashi.lg.jp/kids/index.html

⇒最近では船橋市のように「市区町村レベル」でのキッズページもかなり充実しています。是非「お住まいの地域+キッズページ」で検索してみると見つかるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

お役所だけではありません。一般企業も当然のことながら頑張っています。

沢山ありすぎて探しきれないので、ポータルサイトはないかと探してみたらこんなページがありました。

・子ども向けサイト「キッズパーク」http://www.kids-p.jp/index.html

⇒掲載数は限られていますし、まだこれからというサイトのようですが、産業分類別にまとめてありとても見やすく仕上がってます。

 

 

 

 

 

 

例えば、「自動車」には、トヨタ、日産、本田、スズキ、富士重工(スバル)、マツダ、三菱などのキッズページがまとめられています。

「電器」には、シャープ、富士通、東芝、カシオ、村田製作所、三菱、パナソニック、パイオニア、キャノンなどなど、という具合です。

この先の広がりを考えてみる

世代別人口構成は、この先も「大人>子供」という状態がほぼ固定されているにも関わらず、WEBの世界ではその充実ぶりを比較すると「人口構成」は反映されていないのかもしれません。もしかしたら逆転しているかもとすら思います。これを潮流と考えれば、一般企業、、、特に中小企業まで「自分たちのお仕事」「そのお仕事を通じてどのように社会に貢献しているのか」等を紹介し考えてもらうためのサイトが今後も充実してくることでしょう。SEO上ももしかしたら有効なのかもしれません。また特定の産業、、、「コンピュータ」「教育関連」に関して言えばこれは絶対に無視できない潮流(参照⇒EdTechについての記事のように感じます。

今はまだ「全然そんな気はないし必要性も感じない」と考えている経営者の方、一度上記のサイトを覗いてみてください!

そして自社の情報発信のコンテンツの一つにキッズページを作っておいても面白いかもと思われるのであれば、着手してみてください。

おそらくは、全くの無駄にはならないように思います。

 

また、今後は大人向けのサイトについても、キッズページと同じような分かりやすさや面白さを要求されるかもしれません。転職やリスタート組に訴求するためです。すでに少なくない企業で求職者向けにこの手のサイトが作られていますが、いずれもキッズページのような充実ぶり、、、とまでは言えないような気がします。なぜなら、それらの求職者に対する入口は「ポータルサイト」が担っていることが多く、そうなると条件や待遇だけで判断するしかない現状を採用側も求職側も当然のこととしているような「常識・共通認識」があるからではないかと考えています。採用側は「詳しくは面接で聞けばいい」と考え、求職者側は「結局のところは入職してみないと本当のところがわからない」という割り切りもあるのかもしれません。

採用する側も採用される側も、長く働くことが企業と個人の利益に繋がるはずです。分かりやすく具体的に説明し、その内容をちゃんと理解し入職することが、採用におけるミスマッチを減らすことにつながり、結果として長く働いていただけることにつながります。またWEB上の口コミ評価を中心としたネット上の評判は、本業の成績を左右するほどの影響力を持っていて無視できないものになっています。いい加減な説明や形式的な条件提示だけでは、企業の文化や雰囲気を伝えることは難しく、結果としてミスマッチ、結果として口コミでの悪評価ということになれば、採用策の浅慮や手抜きが本業に痛手を負わせる、、、なんてことにつながります。

経営者が考える「こうあってほしい」「こうありたい」という企業の理想像や目標に加えて、これまでクローズドであった会社内部の本当の姿も分かりやすく伝えていただくことが、結果としてミスマッチを減らし、そして経営者が考えるゴールへの近道になるのではないかと思います。

 

こんな目線でキッズページを眺めてみても面白いかな、、、そんな提案をしたく今回は書いてみました。

 

 

 

 

 

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