国税庁タックスアンサー解説 No.4120 弔慰金を受け取ったときの取扱い
弔慰金とは
弔慰金とは、企業や国が、業務や災害・戦争などで死亡した方を弔い、遺族を慰めるために支払われる金銭を言います。
そして、この弔慰金を受け取った場合には、通常相続税の課税対象にはなりませんが、一定の場合には、課税対象となります。
弔慰金が課税対象となる場合
退職手当金等に該当するかどうかの判定については、相続税法基本通達3-19に次のようにあります。
3-19 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける金品が退職手当金等に該当するかどうかは、当該金品が退職給与規程その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合においてはこれにより、その他の場合においては当該被相続人の地位、功労等を考慮し、当該被相続人の雇用主等が営む事業と類似する事業における当該被相続人と同様な地位にある者が受け、又は受けると認められる額等を勘案して判定するものとする。
名目が弔慰金だったとしても、上記のように社内の規程によるものであったり、実質的に退職手当金等と判断されるものである場合は、相続税が課税されることとなります。
また、上記(実質的な退職手当金等)以外の部分については、次の金額を弔慰金等に相当する金額としています。
①被相続人の死亡が業務上の死亡である場合
⇒死亡当時の給与の3年分に相当する金額
②被相続人の死亡が業務上以外の死亡である場合
⇒死亡当時の給与の6か月分に相当する金額
それぞれの金額を超える金額を支給した場合は、退職手当金等として相続税が課税されます。
退職手当金等の課税については、こちら
相続税法基本通達
(退職手当金等の取扱い)
3-18 法第3条第1項第2号に規定する「被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与」(以下「退職手当金等」という。)とは、その名義のいかんにかかわらず実質上被相続人の退職手当金等として支給される金品をいうものとする。(昭46直審(資)6改正)
(退職手当金等の判定)
3-19 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける金品が退職手当金等に該当するかどうかは、当該金品が退職給与規程その他これに準ずるものの定めに基づいて受ける場合においてはこれにより、その他の場合においては当該被相続人の地位、功労等を考慮し、当該被相続人の雇用主等が営む事業と類似する事業における当該被相続人と同様な地位にある者が受け、又は受けると認められる額等を勘案して判定するものとする。(弔慰金等の取扱い)
3-20 被相続人の死亡により相続人その他の者が受ける弔慰金、花輪代、葬祭料等(以下「弔慰金等」という。)については、3-18及び3-19に該当すると認められるものを除き、次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額として取り扱い、当該金額を超える部分の金額があるときは、その超える部分に相当する金額は退職手当金等に該当するものとして取り扱うものとする。(昭57直資2-177改正)(1) 被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、その雇用主等から受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与(俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等の合計額をいう。以下同じ。)の3年分(遺族の受ける弔慰金等の合計額のうち3-23に掲げるものからなる部分の金額が3年分を超えるときはその金額)に相当する金額
(2) 被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、その雇用主等から受ける弔慰金等のうち、当該被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分(遺族の受ける弔慰金等の合計額のうち3-23に掲げるものからなる部分の金額が半年分を超えるときはその金額)に相当する金額