国税庁タックスアンサー解説 No.4102 相続税がかかる場合(相続税はいくらからかかるか)
今回は、相続税のしくみについてです。
相続税はいくらからかかってくるのか、ということですが、結論から簡単にお伝えしますと、以下のとおりです。
3,000万+600万×法定相続人の数
つまり、相続税はいくらからかかってくるのかと言いますと、単純には、遺産総額が、3,000万+600万×法定相続人の数ですから、相続人が、妻と子2人の場合、4,800万を超えた金額からということになります。
正味の遺産額(実際の計算)
しかしながら、少し細かく見ていきますと、非課税財産や債務、葬式費用などが控除され、逆に3年以内の贈与財産が加算されるというようになっています。
非課税財産は、図にもありますが以下のとおりです。
1.墓地、仏壇、祭具
⇒亡くなった方が生前に購入していた墓石・仏壇などは財産ではありますが、計算上の遺産額には含めません。
2.国、地方公共団体、特定の公益法人等に寄付した財産
⇒相続人が相続で取得した財産をこれらに寄付した場合に遺産額には含めないということですが、申告期限までに一定の手続きをする必要があります。
特定の公益法人等は、主に教育若しくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献、その他公益の増進に著しく寄与する特定のもの、定義されています。
具体例としては以下のとおりです。
・独立行政法人
・国立大学法人等
・地方独立行政法人
・公立大学法人
・センター(自動車安全運転センターなど)
・事業団・振興会等(日本赤十字社など)
・公益財団法人、公益財団法人
・学校法人(私立学校法第3条)
・社会福祉法人
・更生保護法人
・認定NPO法人
3.生命保険金(死亡保険金)の合計額のうち500万円×法定相続人の数
※法定相続人の数は、民法上の相続人を言いますが、相続を放棄した人についてはその放棄が無かったものとした場合の相続人の数を言います。
また、亡くなった人に養子がいる場合、実子の有無によって法定相続人の数に含める養子の数は以下のように変わります。
①実子がいる場合 1人
②実子がいない場合 2人
民法上の相続人が3人で、養子が3人いる場合の法定相続人の数は、3+1=4人ということになり、生命保険金の合計額のうち500万×4=2,000万までは遺産額に含めないということになります。
4.死亡退職金の合計額のうち500万円×法定相続人の数
⇒法定相続人の数については上記のとおりです。
その他もありますが、主なものとしては上記のものとなります。
相続税の納税義務者と課税財産の範囲
上記のように、正味の遺産額が基礎控除額を超えた場合には相続税がかかってくるのですが、亡くなった人や相続人の状況により、課税される財産の範囲が変わってきます。
詳細は、別項目で解説しますが、表にまとめると以下のとおりとなります。
今回は相続税という前提ですが、課税される財産の範囲としましては、贈与税と同一になります(亡くなった人=贈与した人、相続人=贈与を受けた人)ので、贈与者や受贈者も記載しております。
表の内側うち、色がない部分は国内外全ての相続(贈与)財産について課税され、青い部分は国内の相続(贈与)財産について課税されます。
※表はタップして拡大します。