所得税法改正(fukatax通信 第26号)
所得税法改正(fukatax通信 第26号)
所得税法改正
今回のfukatax通信は、令和2年分の所得税から大きな変更があった点をまとめてご案内いたしました。(fukatax通信第17号・18号掲載分を再編集しお届けいたしました。)
給与所得控除・公的年金控除が減額され、基礎控除が増額される
皆さまが受け取られている「給与」や「年金」にはそれぞれ、「給与所得控除」と「公的年金控除」と呼ばれる控除があります。所得税の計算は、それぞれの収入からそれぞれの控除をした後、更に「基礎控除」と呼ばれる控除を差引き、税率をかけて行っています。(所得控除・税額控除は割愛) この度の改正では、給与と年金の両方を受け取られている方の控除を減額(※)し、その分、基礎控除に上乗せする、という変更が行われました。
(※)下記の「所得金額調整控除」により、実質負担増なし、という可能性もあります。
所得によりそれぞれの控除は段階的に縮小され、基礎控除については所得が一定以上の方は控除を受けられなくなります。
☆ 給与収入850万円超の方
⇒給与所得控除の上限が引下げられ、増税となります。
☆ 合計所得2400万円超の方
⇒基礎控除が段階的に縮小(2500万円超で0円)され、増税となります。
☆ 年金を受給されている方で合計所得1,000万円超の方
⇒公的年金等控除額が縮小され、増税となります。
扶養者がいる方、障害のある方は、新設される控除を受けられる可能性があります。
新設「所得金額調整控除」(以下の2種類があります)
①給与所得者の所得金額調整控除
給与収入850万円超の方のうち扶養がいる方や障害がある方に対しての負担を軽減するために創設されました。
次のいずれかに該当する方は、最大15万円の控除が受けられます。
⑴23歳未満の扶養親族を有する者
⑵本人、または同一生計配偶者もしくは扶養親族が特別障害者である者
②公的年金と給与の2つの所得がある方の所得金額調整控除
改正により控除額が10万円引き下げられる影響を無くすために創設されました。最大10万円の控除が受けられます。
婚姻経験のない方でも、男性でも受けられるよう寡婦(寡夫)控除が見直されました。(ひとり親控除の新設)
従前の制度では、ひとり親であっても婚姻歴が無ければ寡婦控除を受けることが出来ず、また、女性と男性で扱いが乖離している点でも不公平な制度でした。これらの点をある程度解消するための改正が入り、同時に一定以上の所得金額や事実婚である場合に制限が設けられました。
fukatax通信は、旬な話題を盛り込み、税務顧問契約をいただいている皆さまへ毎月1回お送りしております。
次回は、11月下旬を目途に発送を予定しております。