「話し言葉」、「書き言葉」、そして「打ち言葉」

発表されてしばらく時間がたっていますが、メディアでも取り上げられていましたから目にした方も多いのではないでしょうか?

「打ち言葉」という言葉は文化庁が発表した「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」の中で定義されたものです。

⇒概要:http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/__icsFiles/afieldfile/2018/03/01/a1401904_02.pdf

⇒全体:http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/__icsFiles/afieldfile/2018/04/09/a1401904_03.pdf

テキストでの打ち込みは「書く」といえるから、話し言葉か書き言葉かといえば書き言葉なんだけど、短文で会話的要素が強く、書き言葉というにはちょっとなぁ、、、ということでこの報告内では「打ち言葉」と呼ぶよ~と文書のかなり前の方とQ&Aに書いてあります。これは見事に言い得ている、、、、と感じます。

(報告P26「携帯メールやSNSなどを用いた私的場面における頻繁で短い言葉のやり取りでは,書き言葉であっても,くだけた話し言葉的文体が用いられます。このような情報機器などへの文字入力による言葉を,この報告では「打ち言葉」と呼んでいます。」)

この報告の中には「専門家」について触れている部分があったため読んでみたのですが、「専門家は非専門家に対して,知識や情報を正確にかつ分かりやすく伝えることが求められる。」とまぁ予想を超えるものではありませんでしたが、「一方,非専門家であっても,自分の命や生活に関わる分野に関しては専門家任せにせず,積極的に学び,認識を深めていくことが必要となっている。」という文章が続けられていました。これには少々衝撃を受けているのですが、専門家としての自分以外の「いち生活者」である自分を考えるときには確かに医療や行政サービスを100%相手任せにすることはできないと感じます。その上で、どのような態度・心持で打ち合わせなどの場に臨むべきなのかについて方向を指し示してもらったような気がしました。

そのほかにも、「言語コミュニケーションのための具体的方策」において「4つの要素(正確さ、分かりやすさ、ふさわしさ、敬意と親しさ)」が解説されており、こちらもとても参考になります。

さすがに文章全体が「分かり易い」です。何といっても「分かり合うための、、」なんて名前がついている文書ですし、期待はしていたのですが、その期待を裏切らない「分かり易さ」でした。分量も本編21ページ、Q&Aが35ページですから、本編だけさ~っと読むのは苦ではないと思います。

ただ、、、できれば、アナウンス(⇒https://www.youtube.com/watch?v=tJf-1QByR34など)だけではなく、本編の解説も動画で見たかったです。企業の経営者、管理職、従業員、新入社員、小学生~大学生などなど幅広い人に理解してほしい内容ですし、この内容をもとにコミュニケーションについての共通理解が進めば、コミュニケーションについて悩む人が減る気がしているからです。

もっとも、、、文化庁のYouTubeチャンネル登録者がたったの250ではそれでも拡散されるかどうか?ですけど。

この「報告」を教科書にして、社内研修や勉強会を開いてみても面白そうです。ハラスメント防止の研修などとは180度方向が違っていて、基本的にポジティブで前向きな研修になりそうな気がします。

文章をなぞるだけでも、そして簡単なスライドを作るだけでも十分に研修資料になると思います。

そして、社内におけるコミュニケーションのルール作りまで進めていければ、今よりもっとたくさんのアイデアや意見が上がってきたりするかもしれません。

だまされたと思って、是非ご一読を。

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