リーマンショック級の…果たしてどうなるんでしょう?
過去にもコラムに書いていますが、消費税の税率改定は既定路線になっていて、このまま何事もなくいきそうだなと思っていたところに、ここ1~2週間ほどでおこった株価の大幅下落。
ネットニュースでは、リーマンショックの時の株価の下落率がどうのこうのという記事を見ましたが、果たして消費税の行方はどうなるのでしょうか?
先日発表された税制改正大綱のメインが消費税対策ですから、これが増税とりやめとなれば、いろいろ拍子抜け感があります。
税制改正大綱には「2019年10月」以降に「消費税率10%」で購入する方限定で税制優遇をしますよ、、、、と書かれていますから、10%化しなければこの優遇策もなくなります。ギリギリまで両にらみでの準備を強いられる方々にとっては、静観というわけにはいかなさそうです。もちろん私たちの業界もその両にらみが求められます。そんなわけで少々落ち着かない年越しとなりそうです。
そして、どんな内容になるんだろう?と発表を待っていた平成最後の税制改正大綱ですが、おおむね以下のように決まったようです(抜粋)。
所得税
○ 住宅ローン控除の拡充
○ 森林環境税(仮称)及び森林環境譲与税(仮称)の創設
○ ふるさと納税制度の見直し
○ 子どもの貧困に対応するための個人住民税の非課税措置
資産課税
○ 個人事業者の事業承継税制の創設等
○ 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し
法人課税
○ イノベーション促進のための研究開発税制の見直し
○ 中堅・中小企業による設備投資等の支援(投資・災害対応)
○ 都市・地方の持続可能な発展のための地方税体系の構築
消費課税
○ 車体課税の見直し
○ 外国人旅行者向け消費税免税制度の利便性向上
納税環境整備
○ 経済取引の多様化等に伴う納税環境の整備
ふるさと納税、都市と地方の税体系、消費税、新しい形の産業(シェアリングエコノミーや仮想通貨)、さらには災害(中小企業対策)など、今年一年の話題・課題を反映した改正が並んでいます。それ以外にも、高齢化(事業承継)、オリンピック(外国人観光客)に対する対策であったり、やはり「今」を反映している内容になっていることが分かります。
また、突然なんのこと!?という感じが強い「森林環境税」ですが、数年前から議論されていたものになります。荒廃していく森林、高齢化により減少し続ける林業従事者、このままではいかんともしがたい状態になることは明らかですから、森林から直接恩恵を受ける方もそうでない方も一人1000円、気持ちよく払ってね、という内容の税金です。乱暴な計算ですが、単純に1000億円の財源が生まれたことになります。目的税として使途を限定するとはいえ、財源が新たに生まれることになります。徴収する以上は、正しくそして効果的に使っていただきたいと思わずにはいられません。
以前のこちらの記事でも書いたように、税金に関することはまずは法律で決めなければならないのですが、それだけでは運用できません。実際の法律がどのような文言で成立するのか?政令、省令などのルールがどのように決まってくるのか?まだまだ不確定要素があります。実際にはどんな形で運用されるのか?細かい部分はどのような取り扱いになるのか?まだもう少し先の「施行」までの経緯を注意して見続けたいと考えております。
そして、、、振り出しに戻りますが、「消費税の税率はどうなるのか?」
予測してもしょうがないのかもしれませんが、年末のごあいさつ、年始のごあいさつではまず間違いなくこの話題が出るはずです。
「予測してもしょうがないですよ~」「分かりませんよ~」と笑ってお茶を濁していたら、「逃げたな?」と思われるかもしれません。「きっとこうなる」と熱弁をふるって外した時は大変になるでしょう。全く人と会わない、という選択肢は経営者である以上もとより選択できません。ということは、どうにもこうにも逃げ場がない気がしてきます。
消費税の税率改定そのものよりも、実はこっちの問題の方が大きい気がしてきている、、、そんな2018年の年末でした。