”Samurai hub(サムライハブ)”
法人個人を問わず、商売をしている方々にとって「自力では解決できないこと」は本当にもどかしいことだろうと思います。
取り扱う商品やサービスについてであったり、集客し効率よくリピーターになってもらえるように売る方法であったり、そういったいわゆる本業そのものにかかわる知識や経験が足りないとなれば努力もするし勉強もするのだと思います。
ところが、「法人決算申告しなきゃ。」「契約上のトラブルが発生した!」「登記しておかねば。」「就業規則に36協定が~」となると、なかなか自力では解決することが難しいということでご相談をいただくことがあります。
決算申告はもちろん私が承るのですが、他のご相談については専門であるかそうでないかという以前に、実は法律で細かく「やってよいこと」「やってはダメなこと」が決まっていますので、ご相談をお伺いして他の諸先生方につなぐ必要があるとなればおつなぎしたり、そのための下準備をしたりすることもあります。おそらくそれは弊事務所だけではなく、かなりの税理士事務所が行っていると実感しています。
また、大手の税理士事務所は、グループ内に税理士以外の資格をお持ちの先生方がいらっしゃったりして、税理士の顧問契約をしておけば他の士業の方々にもお仕事をお願いできることが約束されている、というところもございます(報酬は別計算であることが多いと思います)。
今では当たり前のようにこの状況を見ていますが、私がこの業界に入った当時は↓のような疑問を持っていました。
なんで税理士が音頭をとって中心でやってるんだろう?
いくつか理由はあると思います。
標語的に並べてみると、、、
1、ダレトク?
2、情報の蓄積
3、いやらしい話ですが、、、
などが考えられます。
このままでは「なんのこっちゃ?」でしょうから、以下、説明していきます。
1、ダレトク?
「他の専門家の先生を紹介すると誰に得があるのだろう?」という意味です。
考えるまでもなく、そのメリットを最初に享受するのはお客様だと思っています。専門家を探す作業は案外手間がかかるものです。専門家にも得意分野・専門分野があります。報酬も上から下までいろいろです。人となりも会ってみるまで分かりません。自分なりの選考基準を作って比較検討して、、、なんてなかなか難しいです。
税理士が仕事を依頼してみて評価できると判断したからこそお客様を紹介するわけですから、そこは一定の基準をクリアしていると考えてよいはずです。
探す手間、選ぶ手間を省いて、専門家に仕事を依頼することで早く確実に結果を手にできる。つまりは紹介するのは「お客様のため」が第一にあります。
次に、「紹介される先生」ですね。特に広告費をかけなくてもお客様に依頼をしていただくことができ、その結果報酬を手にするわけですから「紹介される先生のため」が第二にあります。
最後に、、、自分ですね。別に謙遜しているわけではなく、「紹介する」ということはその分の報酬をいただけるわけではありませんし、紹介をした先生が失敗をしたり信頼関係をうまく作れなかったりした場合の不利益は紹介をする私(税理士)に帰ってくるわけです。ところが、ご紹介をした先生に結果を出して頂くと、リスクしかなかったその状況が180度変わります。お客様には当然喜んでいただけます。そしてご紹介をした先生にも喜んでいただけます。それは将来別のご依頼をいただいたり、場合によっては別のお客様をご紹介いただいたりすることにつながります。つまり、「長い目で見て自分のためになるから」が第三ですね。
2、情報の蓄積
士業をはじめとした専門家の仕事は、まず何よりも正確性が必要とされます。そしてその正確性を実現するためには何よりも「正しい情報」が必要となります。
税理士事務所にも単発のお仕事はありますが、顧問契約を中心とした「継続的」な仕事が多いわけです。継続的という言葉の意味は税理士顧問契約の場合は「長期間にわたる」という意味と「定期的に」の二つの意味を含みます。「〇年」という年単位での長いお付き合いであることが多く、その間ほったらかしではなく定期的にお会いして情報をしたり、提供していただいたり、そういうやり取りが行われているという意味での「継続的」ですね。
期間的なものだけではなく、その情報の幅や広がりも相当なものになります。私たちは会社や事業体のお財布だけではなく、一定程度代表者個人のお財布ものぞかせていただくことになります。また、将来を予測するにあたり、家族構成にとどまらずご家族一人一人の状況や親としての思い等もお聞かせいただくことになります。
継続的に広く集められる情報は他の士業の先生方がスポットでの仕事をするにあたり、必要十分な材料を提供できるものであることが多く、信頼・安心につながるものだと思います。もともとは自分たちの仕事のためにお客様にお願いをして集めさせていただいた情報ですから、お客様の承諾を得た上で提供することにはなります。そうすることで、お客様にとっても2度も3度も同じ資料を提出するという手間を減らせるというメリットもあります。
3、いやらしい話ですが、、、
とは書いてますが、別にいやらしくも何ともありません。ここで言いたいのは、「数(かず)」の話です。
弁護士先生方が「顧問契約」を報酬のベースにできた時代もあったそうですが、今現在「顧問契約」という継続的契約を数多く保持し続けられる士業はさほど多くはありません。また、一定額以上の報酬がなければ定期的にお会いすることもコストの面から難しくなります。税理士業界も厳しくなってきてはいますが、まだかろうじてその関係が維持できないところまでは行っていないように思います。
つまり、税理士事務所は今でもお客様の数を一定程度保持し続けられる業種であって、多くのお客様との契約があるからこそ、多様なご相談やご依頼があり、その結果他の先生方に紹介する案件が出てくるわけです。
「たくさんのお客様」がいらっしゃるからこそ、税理士が音頭をとれる、、、、だいぶ端折りましたが、そういうことです。
いろいろ書いてみましたが、お客様にしてみれば
「長く付き合っているからかなぁ、話しやすくてね、だからちょっと最近困っていることを聞いてもらってもいいかなぁ?」
そんなことがよくあるということなんだと思います。
そんなご相談を結構な頻度で受けていて、ご紹介をすることで、皆がハッピーになる。
だから税理士が音頭をとって中心でやっているんでしょうね。
紹介したり協働したりする意味とは
一言でいえば、お客様にとっての「最適な結果」「最大の効果」を狙うにはどうすればよいのかを考えればそうなる、ということです。
専門家が自分の強みを出すわけですから、悪い結果になりようがありません。
ましてや協働するときはなおのことですね。
ご紹介する案件は多種多様であり、なかなか類型化することは難しいですが、「協働」してこそその効果が最大化するケースとしては以下のようなケースが想定されます。
雇用関係の助成金・・・社会保険労務士と税理士(就業規則の作成・改定・届出、税務会計的な助言・提案)
法人設立・・・司法書士又は行政書士と税理士(設立業務、税務会計的な助言・提案)
破産・民事再生・相続・・・弁護士と税理士(それぞれの法的手続き、資産評価・再生計画の策定・税金に関する助言提案)
医療法人設立・・・行政書士と税理士(設立業務、税務会計的な助言・提案)
私たちのスタンス
私たちの願いは、お客様の事業の成功であり、私たちの仕事はそれを最大限サポートすることです。
他の領域の専門家が必要だと判断したら、ご依頼がなくても紹介しましょうか?と打診をしたり、もちろんご依頼をいただければご紹介いたします。
また、他の専門家の先生からのご紹介やご依頼も頂くことがございます。
この手の仕事は今現在の私たちのお客様にとって直接的なメリットはないのですが、専門家としての知識や技術の習得および蓄積となることも多いですし、ご紹介やご依頼をいただく先生方からの信頼をいただくことにもつながります。長い目で見れば今現在のお客様にとってのメリットになる可能性があるものとして、こちらも積極的に取り組んでいきたいと考えております。
~表題”Samurai hub”は士業をつなぐ存在、、、そんな意味を表現したくて言葉遊び、言葉探しをした結果の産物です。~