スマホに寄せる?

私たちの業界は、年が変わると時間の流れが一気に速くなるような気がしてます。1月は年中行事の中でもひたすら作業という時間が多い月になりますから余計にそう感じるのかもしれません。

少しでも作業が楽になれば、、、手軽になれば、、、面倒が減れば、、、その作業に取り組みやすくなるのは間違いないでしょう。たとえそれが義務とされていることでも面倒なことは面倒ですから、その面倒臭さをせめて軽減してもらえれば重い腰が上がりやすくなるはずですからね。

多くの方にとって、所得税の確定申告はその面倒くさい作業だと思います。そして、それが手書きの帳簿や申告書からパソコンでの作業に変わっても、さらには電子申告という方法が使えるようになってもまだまだ面倒臭いことには変わりないでしょう。そこで、、、かどうかはわかりませんが、スマホを利用して申告と納税がより身近にそして簡単になるかもしれない制度がスタートしました。

所得税確定申告

一つ目は、申告についてです。所得税の確定申告をする際のWEBサイトにスマホ専用のものができています。昨年中にアナウンスされてからどのような使い勝手になるのか気になっていたので、利用可能になったとのアナウンスを見て、ちょっと触ってみました。( 過去の記事はこちら⇒「鬼に笑われようとも来年の話」、「便利になるのはいつだろう? ~続・スマホで申告」「スマホ × 確定申告 スマートフォン専用サイトができたようです。」 )

結論から申し上げれば、使用感は悪くないです。というよりもむしろ使い勝手は良く、「ここまで来たか…」という感覚すら覚えるものでした。スマホ用サイトだけではなくPCからの申告をするためのサイトも「入口だけは」かなり使いやすく変わっています。クラウド会計の2大勢力「freee」「MFクラウド」と同等、、、と言ってしまうと言い過ぎかもしれませんが、間違いなくユーザビリティ(使い勝手)は良くなっています。ただし、入口だけです。期待しながら画面を進めていって、、、ド~ンと突き落とされた気分、そんな印象です。

そして、スマホ専用サイトについては使える方が限定されてしまっていることが少々残念な感じです。

Q.確定申告する年分は平成30年分ですか。

Q.給与以外にも申告する収入がありますか。

Q.お持ちの源泉徴収票は1枚のみですか。

Q.勤務先で年末調整が済んでいますか。

Q.医療費控除や寄付金控除の適用を受けますか。

Q.医療費控除や寄付金控除のほかに、確定申告で追加する控除や年末調整の内容に変更はありますか(予定納税や繰越損失がある方は「変更あり」となります)。

(国税庁確定申告サイト(スマートフォン用)から引用)

これらの質問に、一つ一つ答えることで先へ進むことができるようになっていますが、そこで浮かび上がってくる「スマホで確定申告」ができる方像とは、「給与所得者寄付金控除(ふるさと納税等)か医療費控除を受ける方」だけになっていることが分かります。

おそらく対象者数は少なくはないのでしょうが、その先にある更なるハードル(「マイナンバーカードの取得」か「IDとパスワードの取得」を要求していてスマホだけで完結させることを念頭に置いているとは考えにくい状況)を考えると、「スマホで入力⇒印刷⇒郵送」が現実的な申告方法になると想像してしまいます。そして、それならば・・・つまりスマホは入力にしか使わせないのなら・・・もう少し申告対象を広げてもいいのになぁ、、、という気がしてしまいます。

それでも、ユーザビリティは確実に良くなっています。期待して次のバージョンアップを待ちたいと思っています。

QRコードでコンビニ納付

二つ目はQRコードを使ったコンビニ納付です。こちらも以前記事にしてました(QRコードを利用したコンビニ納付手続の開始について)。税務署のサイトはこちら⇒http://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/conveni_qr_nofu/index.htm

「申告データを作って、申告書をpdf化して、それをプリントアウトしたものかスマホのカメラで撮影したものをコンビニのレジで読み取ってもらう、、、」簡潔に言えばこんな流れです。

「QRコード×コンビニ」と聞くとどうしても昨今のキャッシュレスサービスを想像してしまいます。ですが、今回のこちらのサービスは完全に別物です。下の図を見て頂ければわかる通り、スマホに寄せているわけでもスマホでなければできないわけでもありません。「スマホも使えます」程度のお話です。そうすると、「じゃぁこれってなんなの?」ってことになります。分かりやすく説明すると「納付書を自作する方法」と「コンビニで納付する方法」が一つになって、さらに新しくなった、、、ということですね。

国税庁[手続名]コンビニ納付(QRコード) から引用

個人的には「どうせe-Taxをつかうのなら」「どうせ納税をするのなら」という方が、「コンビニで納税したい場合」には有用な方法だと思っています。まだまだ使う方も限定的だとは思いますが、この方法が取り入れられたことで便利になったと感じる方は是非使ってみていただきたいですし、使った方にはその感想を聞かせていただきたいなと思います。

まとめ

今回ご紹介した2つの制度は、ご自身で確定申告やそれに続く一連の手続きを納税者ご自身が行うことが大きな前提になっています。もっと便利な制度ができればそれこそすべて自分一人で完結できる、そんな時代が来るのかもしれません。が、実際はまだまだですし、私から見ても「ある程度税務的な知識」がなければシステムを上手に使いこなせないという状況です。そして先にも書きましたが、基本的には面倒な作業なわけです。よくわからないし面倒、、、となると人はなかなか動きませんよね。そんな方は、今回の記事をサラっと読み流していただいて、こちらまでお問い合わせくださいね。もちろん、自分一人で頑張ってみたい方からのお問い合わせもお待ちしています。

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