統計が間違ってた?

これまでにも議論や指摘はあったのでしょうが、今年に入ってからの報道や政府発表がやたらと目につく「統計の誤り」。

労働保険では「毎月勤労統計調査」という統計に誤りがあり、その結果、過去に給付されてきた失業給付や労災保険の給付が過少であったことが指摘されてます。そして、これが景気動向指数など、他の統計の基礎資料となっていますから、親亀こけたら、、、状態になることが容易に予測されます。

実際に「景気動向指数」が変更される可能性があることがすでに報道されていますから、この先一体どこまでの統計が「間違ってました」となるのか、関心をもって見守っていく必要があると思っています。

 

統計と統計の誤り

統計が誤っていると何がまずいのか?について考えてみます。

そもそも、統計とはなんでしょう?

まず、辞書で「統計」という言葉を調べてみます。
「集団における個々の要素の分布を調べ、その集団の傾向・性質などを数量的に統一的に明らかにすること。また、その結果として得られた数値。」(例 統計をとる)(広辞苑より)
「集団現象を数量的に把握すること。一定集団について、調査すべき事項を定め、その集団の性質・ 傾向を数量的に表すこと。」(例 統計をとる)(大辞林より)
他のどの辞書でも、言い回しは少しずつ違いますが、ほぼ同様の解説がされています。いずれにも共通なのは、「集団」の「傾向・性質」を「数量的」に明らかにすることです。

政府統計局WEBサイトより引用)

国語的な意味でも、実際上の使われ方としても、統計が間違っているということは「集団における個々の要素の分布を調べ、その集団の傾向・性質などを数量的に統一的に明らかにできていない」ことになります。「明らかにできていない」とは「不明である」ということと「誤っている」ということの両方の意味を含むことになろうかと思うのですが、いずれにしても、統計を使って分析しようとした当初の目的(「集団の性質・傾向を明らかにすること」)が達成できていないことになります。

とすると、「統計は正しい」から「その分析結果も正しいに違いないこと」を前提として決定・採用されていく様々な政策や法案の根拠が失われてしまうことになります。

今回56の基幹統計のうち22の統計に誤りがあったそうです

こうなってくると、その統計の誤りがどういう影響をおよぼすのか?についての答えは想像するだけでも広範囲にわたり、そして決定や判断に与えたインパクトも少なくなかったであろうことがわかります。

我々の業界でも、毎年行われる税制改正が様々な統計資料をベースとしていることは間違いありません。データが間違っていたから課税される基準も方法も間違ってました、、、なんてことになれば大変なことです。経済成長と税収の確保という相反する目標を実現しなければならないわけですから、そもそもが簡単なお話ではないのかもしれませんが、正しくやっていただかないと快くなんて納税できませんよね。

 

それでもなお、押さえておきたい統計

 (政府統計局より引用 回答や理由が気になる方はこちらから⇒Q.02,Q.01

こちらの画像は、統計局が公務員向けに行っている統計学の研修の広報用ポスターだそうです。単純に面白そうだな、と思ってしまいました。

また、先ほどの「統計とは」に関する文章は、総務省統計局のWEBサイトから引用してきています。この総務省統計局のWEBサイト全体の構成を見ていただければわかるのですが、統計を学んでほしい!!という強い意図が感じられるサイトになっています。小学生むけ~社会人向けの各コンテンツがあり、さらにはYouTubeには統計を扱う公務員向けのシリーズ物の講義が用意されたりしています。

特定の学問や技術を取り上げて、小学生から社会人にまで知識を広げていこうという取り組みはあまり聞いたことがありません。

このことから推測されるのは、統計をとても重要なものとして考えているのではないか、といこうことです。政府が作成し続けている統計は、私たちの仕事だけではなく日常生活の細かいところまでに及んでいます(家計統計なんてものもあります。)。そうだとすると、その仕組みや理屈を知っておいてもよいのではないかと思いませんか?

私たちの仕事に引き付けて考えてみます。

現在の状況を正確に理解し、その理由や経緯を再認識し、その上でこれからの予測を立てていく。これが会計を通してやっていきたいことになります。

ところが、その数字に誤りがあったとなれば、「今の話はなんだったの?」となります。そして、決算までにその間違いに気づかなければ決算申告に影響がでますから、笑ってごめんなさいねでは済まないことになります。

ましてや、お客様の現在位置をお伝えしたい時には正しく会計処理をした数字をお見せしつつ「他社比較」「業界平均」などの資料をお渡しいたします。これらの資料の多くが「統計」により作成されたもので、それが多少のバイアスはあるかもしれないことは感じつつも、正しいものであり重要なものであるとの認識でいました。

今回の基幹統計の間違いを対岸の火事として安穏とした気持ちではいられない理由が、この点にあります。お客様にしてみれば、会計は私たちが作成あるいは監修したもので、統計は政府が作っているものだから、、、、なんて言い訳は通用しません。その二つの情報の距離感は、対お客様の関係において同じだと思います。私たちがやるべきは、より正確な数字をお伝えし、より発展的な将来を画くお手伝いをする。身が引き締まる思いで、私たちの仕事のことを考えさせられました。

そして、あらためて統計について学んでみたいなとも思っています。重要なものだということはわかっているわけですし、知らなければその情報の真贋の判断すらつきませんからね。

以下は統計局のコンテンツとして用意されているものです。

統計力向上サイト「データサイエンススクール」

 

 

 

 

データサイエンス・オンライン講座「誰でも使える統計オープンデータ」

 

 

 

 

面白そうな内容です。興味のある方はちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?

 

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